
dBAは、人の耳が周波数によって感じ方を変えることを考慮した「A特性」のデシベル表示です。dB(A)とも書かれ、騒音やPCファンの動作音などを表すときに使われます。
「A」は測定距離が50cmという意味ではありません。距離、測定位置、平均値か最大値かは別の条件です。数値を比べる前に、どのように測ったかを確認しましょう。
dBとdBAの違い
デシベル(dB)は、基準に対する比を対数で表したものです。音の分野では、音圧レベルや音響パワーレベルなどに使われます。dBという文字だけでなく、何を基準に、どの量を測った数値かを見る必要があります。なお、音圧そのものの単位はパスカル(Pa)です。
dBAは、音の周波数ごとの成分にA特性の重み付けをして求めます。特に低い周波数の寄与を小さくするため、同じ音でも周波数補正のない測定値とは異なる場合があります。「20Hzから20,000Hzまでをすべて同じように測る」という意味ではありません。
| 表示 | 意味・確認すること |
|---|---|
| dB | デシベル表示。基準、測定対象、周波数補正の有無を確認します。 |
| dBA / dB(A) | A特性で重み付けしたレベルです。 |
| dBC / dB(C) | C特性。A特性より低い周波数の影響が数値に残りやすくなります。 |
| LAeq | 指定した時間内の音のエネルギーを平均した、等価なA特性のレベルです。 |
| 音響パワーレベル | 音源が放射する音のパワーを表します。ある場所の音圧レベルとは直接比較できません。 |
基本的な考え方は米国NIDCDの音の測定解説(英語)、詳しい用語はOSHAの音響測定マニュアル(英語)でも確認できます。
3dB増えると2倍? 10dB増えると2倍?
音の強さと、人が感じる音の大きさは別です。周波数構成などが同じ条件なら、約3dBの増加は音の強さが約2倍、10dBの増加は10倍に当たります。一方、人の感覚では10dBの増加がおおよそ2倍の大きさに感じられることがあります。感じ方には音の種類や個人差があるため、目安として捉えてください。
| レベルの変化 | 音の強さの比 | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 約+3dB | 約2倍 | 強さが2倍でも、2倍うるさく感じるとは限りません。 |
| +10dB | 10倍 | 感覚的には約2倍の大きさとされることがあります。 |
| +20dB | 100倍 | 数値の差以上に、物理的には大きな変化です。 |
また、デシベルはそのまま足し算できません。同じ測定位置で、それぞれ30dBAの音を出す独立した2つの音源を同時に動かすと、合計は約33dBAです。60dBAにはなりません。実際の結果は反射音や背景の騒音、音源の動作にも左右されます。
騒音・動作音を測る方法
測定には、目的に合う精度の騒音計を使います。PCファンなどを比べるときは、次の条件をそろえると数値の意味が明確になります。
- 距離と位置を記録する:マイクを同じ場所に置き、音源との距離をそろえます。
- 周囲の音を確認する:部屋がうるさいと、小さなファンの音が埋もれます。
- 測定設定をそろえる:A特性か、平均値か最大値か、測定時間はどれくらいかを記録します。
- 動作条件をそろえる:ファンの回転数、PCの負荷、室内条件を確認します。
- 測定器の説明に従う:マイクを触ったり、物でふさいだりしないようにします。
スマホアプリは簡単な比較に役立つ場合がありますが、内蔵マイクや校正の状態によって結果が変わります。NIOSHの騒音計アプリ(英語)は対応するiOS端末向けに情報が公開されています。どのアプリでも専門の測定器と同じ精度になるとは考えないでください。
音源から離れると何dB下がる?
反射のない自由音場で理想的な点音源を考えると、距離が2倍になるごとに音圧レベルは約6dB低下します。ただし、壁や机のある室内、複数の音源がある場所では、そのとおりにならないこともあります。
そのため、50cmで測ったPCの動作音と1mで測った別のPCの値を、条件を無視して比較することはできません。dBAの「A」が距離を指定しているわけでもありません。
身近な音のdBAの目安
以下はNIDCDが示す身近な音の例(英語)です。どの機器や場所でも同じ値になるという意味ではありません。
| 音の例 | おおよそのレベル |
|---|---|
| 通常の会話 | 60〜70dBA |
| オートバイ・オフロードバイク | 80〜110dBA |
| コンサート、スポーツ会場、最大音量のヘッドホン | 94〜110dBA |
| サイレン | 110〜129dBA |
聴覚への影響は、音のレベルだけでなく聞き続ける時間にも関わります。NIOSHの職業性騒音に関する推奨値は8時間平均で85dBAで、3dBA高くなるごとに推奨される時間を半分にします。これは米国の職場向けの指針で、誰にとっても安全を保証する数値や、日本の法的基準を示すものではありません。詳しくはNIOSHの騒音ばく露の説明(英語)をご覧ください。
PCファンの騒音値を比較するときの注意点
25dBAと30dBAという表示があっても、測定距離、回転数、負荷、測った量が異なれば、机の上でどちらが静かかは断定できません。音圧レベルと音響パワーレベルの混同にも注意が必要です。
同じ程度の数値でも、高い音、低いうなり、カタカタ音では感じ方が変わります。PCが以前よりうるさい場合は、PCの騒音を減らす方法(英語)やファン回転数の管理ガイド(英語)も参考になります。
よくある質問
dBAは50cm離れて測る決まり?
いいえ。Aは周波数の重み付けです。距離は別の測定条件として示す必要があります。
0dBは完全な無音?
違います。空気中の音圧レベルでは、基準となる20マイクロパスカルが0dB SPLです。音圧がゼロという意味ではありません。
dBから一定の数を引けばdBAに変換できる?
できません。元の測定条件や音の周波数構成によって差が変わります。
30dBAのファンを2台動かすと60dBAになる?
なりません。それぞれの寄与が測定位置で同じで、独立した騒音として扱える条件なら、合計は約33dBAになります。